音声メディアで収益化する

急成長するデジタル音声広告市場

現在、デジタル音声広告市場が急成長しています
フォーブスが
2020年に発表した「世界で最も稼ぐポッドキャスターランキング」で1位に選出されたのはジョー・ローガンさんでした
その広告収入の金額は年間3,000万ドル(約33億円)です

同年、Spotifyとジョー・ローガンさんのポッドキャスト番組の独占契約が結ばれ、詳細は非公開の中、契約金の額は1億ドル(約110億円)を上回っていると推定されています

 

また、国内のデジタル音声広告の市場は2020年には16億円になるという見通しで、2025年には420億円になると言われています

これほどまでに音声市場が成長している要因としてはAirPodsなどのワイヤレスイヤホン、スマートスピーカー、lotなどの普及と発展、また、忙しい現代人が車の運転中や、家事の最中などもインプット時間に変えられるなどといったことが挙げられます

 

音声メディアは日本でも海外のように稼げる?

実はアメリカでも収益化できているポッドキャスターは全体の3%程度と言われています
日本でも収益化するのはまだ簡単ではないというのが現状のようです

また、日本でもジョー・ローガンさんのような話が話題に上がらないように、日本と海外では音声コンテンツの盛り上がり方に差があります

この事についてよく挙げられることが、アメリカは車社会なので元々音声を聴くことが日常に馴染みやすかったという点です

日本はアメリカと比べて移動となると電車や地下鉄を利用するパターンが多いので、その間にブログや動画を視聴する事も多くなり、音声を聴く機会が少ないのが現状です

そんな中でも音声コンテンツを聴くメリットと配信するメリットにはブログや動画とはまた違った魅力があるので、長い目で見るとより本格的な音声コンテンツの波が来る前に企業、フリーランス、インフルエンサーの方々は早めに参入しておくとうれしい効果を得られるかもしれません

 

音声コンテンツを聴くメリットと配信するメリット

「音声よりも動画の方がおもしろいから音声は聴かないよ」という意見もありそうですが、音声コンテンツはながら聞きができるので、隙間時間もコンテンツを楽しむ時間や学習時間にも変えられますし、アメリカではポッドキャストの広告単価がYouTubeの広告単価を超えていることもあり、多くのYouTuberPodcastにも参入しているという現象が起きています

音声市場がさらに盛り上がってくることでポッドキャストに音声広告の配信プログラムが導入されれば、YouTubeのように各番組に対して自動でターゲティングされた音声広告が挿入されるようになり、人気番組に広告収益が分配され、それに比例して音声コンテンツの内容も充実し、様々なニーズに対応したコンテンツを楽しめる時間がさらに増えそうです

 

また、音声配信の良い点としては音声配信は動画と比べて視聴維持率が長いという特徴や、身だしなみの整え、環境のセッティング、編集がいらずに収録ボタンひとつで済むので配信しやすいという点、制作コストが安く上がるという点、動画広告よりも広告単価が高い点(海外のポッドキャストの場合)、音声の広告は成約率が高く物が売れやすいという点、動画よりも心理的距離が近いのでファンの獲得や会社のブランディング、パーソナルブランディングに高い効果があるなどといった事が挙げられます

 

デジタル音声メディア、音声アプリの種類と音声コンテンツのジャンル

デジタル音声メディア、音声アプリの種類と音声コンテンツのジャンルはおよそ以下のようなものがあります


デジタル音声メディアの種類

podcast

PodcastApple社のiPodbroadcastをくっつけた造語で、世界中の様々な番組をインターネットを通して視聴できるサービス
音声コンテンツの配信はRSSフィードを通して行う


音声配信サービス、音声配信プラットフォーム

音声コンテンツを配信できるサービス、プラットフォーム

 

音声SNS

音声を使ったSNSで、コミュニティを形成しやすい


オーディブック

本の朗読を録音したもので「ながら読書」をすることが可能


インターネットラジオ

インターネットを通して配信されるラジオで聞き逃した配信を聴くことも可能

 

音声アプリの種類

Apple Podcast

・アップル向けのポッドキャスト


Google podcast

・アンドロイド向けのポッドキャスト


spotify

・ポッドキャストも配信している音楽ストリーミングサービス


stand.fm

・ライブ配信もできる音声プラットフォームアプリ
・「stand.fmパートナープログラム(SPP)」の対象者になることができると収益化も可能


Radiotalk

・ライブ配信もできる音声配信サービス
・「Radiotalkパートナープログラム」の対象者になることができると収益化も可能
ポッドキャストにも配信可能


Voicy

・配信者になるためには厳しい審査がある音声プラットフォーム
・審査を通過した人のクオリティの高い配信が無料で聴ける


spoon

・音声ライブ配信サービス
・機能は音声の生配信をする「
LIVE」、録音した音声を聴ける「CAST」、チャットルームのようにログインしたユーザーが音声でやりとりをする「TALK」に分かれる
・リスナーから課金ギフトである「スプーン」を投げてもらうことで収益化可能


note

テキスト、画像、動画、音声を投稿できるサービス
・コンテンツの有料販売も可能


Twitter Spaces

Twitter上の音声SNS機能で音声会話ができる
・フォロワー600人から利用可能

・Spacesを作成したユーザーが「ホスト」になり、そのホストを含めて最大11人まで発言が可能、リスナー数は無制限


clubhouse

・招待制の音声SNSアプリ
・ユーザー1人に対して2人までの招待可能
・会話のテーマを設定したルームでトークをして、それを聞いているリスナーに発言権を与えると会話に参加させることができる


Audible

Amazonの運営する世界最大級のオーディオブックサービス
・会員になることでポッドキャストも聴き放題


audiobook.jp

・日本国内最大のオーディオブックサービス
・ポッドキャストも配信可能


radiko

・国内最大級のインターネットラジオサービスで日本全国のラジオ局で放送している番組を無料で聴ける


ラジオクラウド

TBSラジオの提供するクラウド型のインターネットラジオサービス


himalaya

・ラジオ、オーディブック、ポッドキャスト視聴ができて音声配信も可能、世界で6億人以上のユーザーがいる巨大音声プラットフォーム

 


音声コンテンツのジャンル

これから音声コンテンツには新ジャンルが出てくる可能性もありますが、およその音声コンテンツのジャンルは今は以下のようなもになります

 

・お笑い、雑談系
・ライブ配信
・対談、インタビュー系
・ニュース、時事ネタ系
・豆知識、雑学系
・カウンセリング系
・コラム系、日々の中での気づき系
・スピリチュアル系
・マインドフルネス瞑想ガイド音声
・商品の情報提供系
・マーケティング情報、自己啓発系
・ガジェット情報系
・英語学習
・美容系
ASMR
・ラジオドラマ系
・弾き語り系

 


音声配信におすすめのマイク

音声配信はスマートフォンだけで手軽に配信できますが、耳の負担になるキーの高い声、番組が変わった時の音量の変更、対談時のマイクの音量の違い、ホワイトノイズや部屋の反響音、それらが長い時間、音声コンテンツを聴いているリスナーに与える不快感を考えると外部マイクで録音することが良さそうです

また、外部マイクが自分の口元にある場合には近づきすぎた時に起きる口の中のくちゃくちゃ音(マウスノイズ)に気をつけましょう

おすすめの外部マイクは海外のポッドキャスターに定評のあるBlueYetishureSM7Bです

ちなみにshureのマイクはマイケル・ジャクソンがスリラーのアルバム収録で使用したという歴史と信頼があるようです

 

 

ポッドキャストの同時配信にはアンカー

アンカー(Anker)とは海外の音声配信アプリで、アンカーを使うと一度にたくさんの音声アプリに配信ができます

日本国内でも認知度のあるApple PodcastGoogle PodcastSpotifyに同時配信したい時に便利です

 

 

音声コンテンツをはじめるのにおすすめのアプリ 


RadioTalk
stand.fm

音声配信サービスで登録者数の多いRadioTalkstand.fmは音声コンテンツを始めるのにおすすめです

RadioTalkは音声を収録できる時間は12分で、編集は可能ですが外部音源を使うことができない一発撮りです

その効果か、同じ音声配信サービスのstand.fm よりも素が出ているぶっちゃけトークが多く、反対にstand.fmは落ち着いたトークが多い傾向があるようです

 

Podcasthimalaya

日本のポッドキャストはまだマネタイズが難しいのが現状です

現時点のポッドキャストの収益化の方法は「番組自体を有料コンテンツとして配信する方法」と「スポンサーをつける方法」の2つになり、アメリカではスポンサー収入でマネタイズしているケースが増えてきています

また、マネタイズの場合、ポッドキャストはユーザビリティが高いという面があるので、商品の情報提供といったマーケティングツールに使うのもおすすめです
いずれの場合もポッドキャストのまだ低い拡散性を他のツールで補う必要があります

 

音声SNS

音声コンテンツは他のコンテンツよりも拡散しにくいという点があるのでその点を音声SNSや他のツールで補うことも大事になってきそうです